フタスジチヨウ・雄の複数回交尾(高崎浩一郎)
1883年3月1日前年冬から冷蔵庫保管していた越冬幼虫15巣(新
潟県奥只見産)を出し、ユキヤナギとコデマリ新葉切り枝を壜挿したも
のをゴース布で覆い飼育したのが初めてであり、5♂♀が羽化したが交配
は行わなかった。次いで翌1984年19越冬巣(同上産地)を得て始め
て自然交配を試みた。3月3日よりコデマリとユキヤナギ葉切り枝壜挿し
で飼育し4月10日から22日までに羽化した数頭の♂♀を簡易ケージ
(photo1に示した型のもので1990年頃まで用いた)中に入れ陽当たりの
良い縁側に置いたが交配は上成功に終わった。さらに、翌1985年17
越冬巣(同上産地)を主にコデマリ葉切り枝壜挿しで飼育し、羽化した4
月22日1♂1♀、23日1♂、24日1♂計3♂1♀を簡易交配ケージ
内に人れた。ケージ内にはイチゴのつぶしたものを自然吸蜜用としておい
たが♂より♀がより早く羽化し而も成虫の状態が悪く、交配は無理で4月
25日全部死亡してしまった。同年5月10日新潟飼育の40蛹(同上産
地)が送られてきたか、5月11日より16日まで全部羽化し、そのうち
5月1l日3頭、12日7頭、以後教頭(♂♀上明)を加えて簡易ケー
ジ内に放ったが、5月15日すでに1頭が死亡したのを最初に、5月22
日までに全部死亡し交配は失敗に終わった。以上の交配は本職が忙しい時
期に行つたもので、成虫の管理など条件も悪く、また、記録も上正確な点
も多々あったが、要するに簡易ケージのような狭い空間での交配は難しい
であろうと云うことを示していた。
そこで、もっと広い空間での交配を試みる必要があると考え、1985
年11月16日に得た越冬巣(同上産地)を冷蔵庫保管し、1986年2
月23日木城町上河内に作つていた旧大ケージ1)内のユキヤナギとコデマ
リ枝に55巣枝をボンドで付けた。3月20日に見に行った時には可成大
きくなった幼虫がいたが、4月中句から5月初旬までは残念ながら見に行
けず、恐らく5月4日~10日位の間に多くが羽化したものと思える。5
月18日にやっと見に行けたが、この時すでに成虫の姿はなく、また、産
卵も発見できなかった。ひょっとすると交配は行われたが、産卵しなかっ
たとも推測されたが、交配失敗と判断した。次いで1986年12月に
(以下工事中)